2020年09月01日
小澤征爾 85歳の誕生日となる2020年9月1日を米・ボストン市が「Seiji Ozawa Day(小澤征爾の日)」に認定

ベルリオーズ:レクイエムを、ボストン交響楽団とタングルウッド音楽祭合唱団を指揮する同楽団桂冠音楽監督の小澤征爾。
2003年ニューヨークのカーネギーホールにて。(撮影:Hiroyuki Ito)
小澤征爾が29年に渡り、音楽監督を務めたボストン交響楽団。同交響楽団の本拠地、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市が、小澤氏の85歳の誕生日である2020年9月1日を「Seiji Ozawa Day (小澤征爾の日)」に認定した。
海外の都市で、日本人のための記念日が制定されるのは大変珍しい。
この日、マーティン・J・ウォルシュ ボストン市長は宣言書を発表した。
「2020 年 9 月 1 日に 85 歳となる小澤征爾氏はボストン交響楽団の指揮者・音楽監督として歴代最長任期の29年間(1973~2002年)を務め、現在は桂冠音楽監督である。功績として各国ツアー、数々の受賞歴があるレコーディング作品(140 作品以上)、2 度のエミー賞受賞、そして多数の委嘱作品があり、アンリ・デュティユー、ピーター・リーバーソン、 ヨーヨー・マ、ジェシー・ノーマン、イツァーク・パールマン、 ピーター・ゼルキン、武満徹など、同じ時代を生きる重要な作曲者や音楽家を擁護した。ボストン交響楽団任期中は1994年タングルウッドにて名前を冠したセイジ・オザワ・ホールが開館し、1979年には歴史的な中国公演を開催。1998年冬季オリンピックでは世界五大陸・コーラス6団を結ぶ「第九」を演奏。そしてエッフェル塔の下で2000年を祝う盛大なコンサートを開催し、ウィーン国立歌劇場、トロント交響楽団、サンフランシスコ交響楽団で世界的に称賛された指揮者として務めた。さらにサイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ松本フェスティバル)を創立した。よって、2020年9月1日をボストン市において『小澤征爾の日』と制定する。ボストン市民の皆さまも共に、小澤氏の歴史的な経歴と功績を称えましょう」
一報を受けた小澤氏は、大変喜びコメントを発表した。
「僕にとって、ボストンは第二の故郷(ふるさと)です。ボストン交響楽団の仲間たち、友人たち、みんな懐かしく、今も家族のように思っています。そして、レッドソックスとペイトリオッツのみんなも!(もちろん今もインターネットで全試合を見ています)ボストンで過ごした時間は、僕の人生にとって本当に大切なもので、どこに居ようとも、いつも僕の心の中にあります。ウォルシュ市長とボストン市民の皆さんに感謝します。ボストン、ありがとう!愛をこめて」
小澤氏とボストン市の関係は古い。
ボストン交響楽団で音楽監督を務める以前、音楽武者修行時代に初めて渡米した際には、フェンウェイ・パーク(野球場)でボストン・レッドソックスの試合を初観戦した。そしてその後、何度も足繁く通うことになる。
小澤氏は1973年~2002年の29シーズンに渡って、ボストン交響楽団の音楽監督を務めた。この任期は、同交響楽団の歴史の中でも最長である。退任後も同交響楽団やボストンが誇る野球チーム、アメフトチーム、そして市との温かい交流は続いており、今回の「Seiji Ozawa Day」が認定された。
【 小澤征爾とボストン市の略歴 】
1960年7月:
ボストン フェンウェイ・パーク(レッドソックスの本拠地)で初めて野球観戦。
1962年7月:
タングルウッド音楽祭(Tanglewood Music Festival) 指揮コンテスト優勝。
最も優秀な若手指揮者に贈られる「クーセヴィツキ―大賞」も受賞。
(クーセヴィツキ―大賞は毎年受賞者が選出されるとは限らず、この年は5年ぶりの受賞者だった)
*タングルウッド音楽祭:アメリカ マサチューセッツ州西部バークシャー郡レノックスにあるタングルウッドで、毎年夏に開催される世界的に有名な音楽祭。レジデンス・オーケストラはボストン交響楽団。
1970年5月:
タングルウッド音楽祭の音楽監督に就任、ボストン交響楽団との親交が深まる。
1972年:
72/73シーズン ボストン交響楽団 音楽顧問を務める。
1973年9月:
73/74シーズンよりボストン交響楽団 第13代音楽監督に就任。
1976年春までは、1970年12月に就任していたサンフランシスコ交響楽団 音楽監督と異例の兼任。
1976年:
ボストン交響楽団のヨーロッパツアーに同行。
同年、ボストン交響楽団のTV番組がエミー賞を受賞。クラシック番組でのエミー賞受賞は初の快挙。
1978年3月:
ボストン交響楽団 日本公演開催(普門館、東京文化会館)。
1978年3月12日~20日:
ボストン交響楽団 中国公演開催。
1993年9月30日:
ボストン交響楽団 音楽監督就任20周年記念ベルリオーズ・ガラコンサート。
1994年:
タングルウッドに、Seiji Ozawa Hall(小澤征爾ホール)設立(1,200席)。
1994年12月6日~15日:
ボストン交響楽団日本公演(東京・大阪)。
2002年:
29シーズンに渡り務めたボストン交響楽団 音楽監督を退任。
ボストン交響楽団の音楽監督の中でも、29シーズンの任期は最長(2020年現在)。現在はボストン交響楽団桂冠音楽監督。
2012年7月:
レッドソックス親善大使に就任。
2013年10月:
レッドソックスとセントルイス・カージナルスのワールドシリーズ2013開幕にあたり、ボストン交響楽団とセントルイス交響楽団がエールの交換として制作した動画に出演。ボストン交響楽団金管セクションを指揮する。
2020年9月1日:
ボストン市長が2020年9月1日をSeiji Ozawa Day(小澤征爾の日)に制定。
配信&CDリリース情報
2016年と17年のセイジ・オザワ 松本フェスティバルで公演・録音された2曲の、デジタル配信とCD発売が開始する。
生誕250周年のベートーヴェン・イヤーにふさわしく、収録されたのはベートーヴェン:交響曲第7番と、レオノーレ序曲第3番。松本市のキッセイ文化ホールで行われた公演はどちらも完売御礼となり、当日は演奏が終わるや否や、大きな拍手とスタンディングオベーションに会場は包まれた。
デジタル版は、小澤征爾の85歳の誕生日である9月1日に世界同時リリースし、日本版のCDは9月2日より発売される。

発売日 : | 2020/09/02 | レーベル : | ユニバーサル ミュージック | フォーマット : | Hi Quality CD |
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