大野和士プロデュース オペラ夏の祭典 『トゥーランドット』7月に開幕

オペラ夏の祭典 2019-20Japan↔Tokyo↔Worldは、新国立劇場と東京文化会館が2020年に向けて、各地の劇場と連携して2年に渡り展開するオペラプロジェクト。総合プロデュースは東京都の芸術文化評議員も務める大野和士が担当する。「五輪にちなんでヨーロッパ、アジア、北米、南米、南アフリカ五大陸のオペラを」との大野の発案から、初年の2019年はアジアが舞台の『トゥーランドット』(プッチーニ)を、2020年夏にはワーグナーの祝祭的作品『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を上演。

『トゥーランドット』の演出に招くのは、スペインの前衛的パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウス La Fura dels Baus のアレックス・オリエ。同カンパニーのカルルス・パドリッサと“地中海、オリンピックの海”をテーマに共同演出をした1992年のバルセロナ・オリンピックの開会式は、クライマックスで聖火を灯した弓を70メートル先の聖火台に向かって放ち見事に点火させた演出で、史上最も劇的なオリンピック開会式と語り継がれている。

オリエは近年オペラの演出で特に活躍し、ザルツブルク音楽祭、ウィーン芸術週間、パリ・オペラ座、モネ劇場、ミラノ・スカラ座など世界の歌劇場で話題作を発表。大野とオリエは、リヨン歌劇場での2004年『さまよえるオランダ人』、13年『期待』/『囚われ人』で新演出公演に取り組んでおり、オリエの大規模なセットを用いたスペクタクルや、内面を視覚的に掘り下げていく手法と、音楽から湧き出す見事なイマジネーションに着目、招聘を決めた。

大野芸術監督は新国立劇場において、旬の演出家によるワールド・プレミエ公演をここで制作し世界に発信すること、さらにそのプロダクションを劇場の財産として展開することを自らの大きな目標としており、『トゥーランドット』はまさに、世界的話題作として注目されている。そして大野監督が日本のオペラファンにぜひ紹介したいという、オリエならではの音楽と一体となってカタルシスをもたらす空間演出――演劇、ダンスファン、アートファンの方々も必見の大スペクタクルに期待が高まる。

『トゥーランドット』の演出に寄せ、アレックス・オリエは次のようにメッセージを寄せている。

「特定の概念にとらわれたくないと思っていますが、魅力を感じているものはあります。それはカラフがトゥーランドットの美貌ではなく、権力に惹かれていく様子を見せることです。つまり、物語を変えるのではなく、この作品の価値観を見直すことを提案するということ。一方で大都会東京のようなメガロポリスを連想させる美的要素を凝縮したいと思っています。東京のような都市が呼び起こすイメージの数々は 『トゥーランドット』のような幻想的な物語を作り上げるのに適しています。また、時代を超えた、未来的な雰囲気にしたいと思っています。『トゥーランドット』はプッチーニが未完成なまま残した作品です。結末を記したメモだけを残しました。通常舞台で演じられる結末と異なるものを考えるということにワクワクします」

『トゥーランドット』でタクトを執るのは、「オペラ夏の祭典」プロジェクトの総合プロデュースとして陣頭指揮に当たる大野和士。管弦楽は大野が音楽監督を務めるバルセロナ交響楽団が務める。海外から招聘するオーケストラが新国立劇場のオーケストラピットに入るのは史上初。

バルセロナ交響楽団は24年ぶりの来日、大野と固い絆で結ばれた、スペインを代表するオーケストラの演奏にも大きな注目が集まっている。トゥーランドット役はイレーネ・テオリン、ジェニファー・ウィルソンの 2 人の大ソプラノを迎え、対するカラフには躍進中のテオドール・イリンカイとデヴィッド・ポメロイが登場。

いずれもリュー役で大評判を取っている国内最人気のソプラノ中村恵理、砂川涼子の競演、さらに妻屋秀和ら日本を代表する歌手陣が集結するのも、オペラファンには見逃せないポイントだ。合唱は新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部、びわ湖ホール声楽アンサンブルが合同で当たり、音楽的にも大スペクタクルを展開する。

 

オペラ夏の祭典2019-20 Japan⇔Tokyo⇔World『トゥーランドット』

日程・会場
2019/7/12(金) 18:30開演 東京文化会館 大ホール(東京) ※A
2019/7/13(土) 14:00開演 東京文化会館 大ホール(東京) ※B
2019/7/14(日) 14:00開演 東京文化会館 大ホール(東京) ※A
2019/7/18(木) 18:30開演 新国立劇場 オペラパレス(東京) ※A
2019/7/20(土) 14:00開演 新国立劇場 オペラパレス(東京) ※A
2019/7/21(日) 14:00開演 新国立劇場 オペラパレス(東京) ※B
2019/7/22(月) 14:00開演 新国立劇場 オペラパレス(東京) ※A
2019/7/27(土) 14:00開演 びわ湖ホール大ホール(滋賀) ※A
2019/7/28(日) 14:00開演 びわ湖ホール大ホール(滋賀) ※B
2019/8/3(土) 14:00開演 札幌文化芸術劇場 hitaru(北海道)※A
2019/8/4(日) 14:00開演 札幌文化芸術劇場 hitaru(北海道)※B

スタッフ・キャスト
【スタッフ】
指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:ウルス・シェーネバウム
演出補:スサナ・ゴメス
舞台監督:菅原多敢弘

【キャスト】
[A]
トゥーランドット:イレーネ・テオリン
カラフ:テオドール・イリンカイ
リュー:中村恵理
ティムール:リッカルド・ザネッラート
アルトゥム皇帝:持木 弘
ピン:桝 貴志
パン:与儀 巧
ピン:桝 貴志
ポン:村上敏明
官吏:豊嶋祐壹

[B]
トゥーランドット:ジェニファー・ウィルソン
カラフ:デヴィッド・ポメロイ
リュー:砂川涼子
ティムール:妻屋秀和
アルトゥム皇帝:持木 弘
ピン:森口賢二
パン:秋谷直之
ピン:桝 貴志
ポン:糸賀修平
官吏:成田 眞

合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部、びわ湖ホール声楽アンサンブル
管弦楽:バルセロナ交響楽団

チケットはこちら
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【指揮】大野和士
Conductor:ONO Kazushi

東京生まれ。東京藝術大学卒。ピアノ、作曲を安藤久義氏、指揮を遠藤雅古氏に師事。バイエルン州立歌劇場にてサヴァリッシュ、パタネー両氏に師事。1987年イタリアのトスカニーニ国際指揮者コンクール優勝。以後、世界各地でオペラ公演及びシンフォニーコンサートの客演で聴衆を魅了し続けている。90~96年ザグレブ・フィル音楽監督。96~2002年ドイツ、バーデン州立歌劇場音楽総監督。92~99年、東京フィル常任指揮者を経て、現在同楽団桂冠指揮者。02~08年ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)音楽監督。12~15年アルトゥーロ・トスカニーニ・フィル首席客演指揮者、08~17 年フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者を歴任。15年から東京都交響楽団、バルセロナ交響楽団音楽監督。オペラでは07年6月にミラノ・スカラ座デビュー後、メトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座、バイエルン州立歌劇場、グラインドボーン音楽祭、エクサンプロヴァンス音楽祭などへ出演。渡邉暁雄音楽基金音楽賞、芸術選奨文部大臣新人賞、出光音楽賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、エクソンモービル音楽賞、サントリー音楽賞、日本芸術院賞ならびに恩賜賞、朝日賞など受賞多数。紫綬褒章受章。文化功労者。17年5月、大野和士が率いたリヨン歌劇場はインターナショナル・オペラ・アワードで「最優秀オペラハウス2017」を獲得。6月にはフランス政府より芸術文化勲章オフィシエを受勲。同時にリヨン市特別メダルが授与された。 18年9月より新国立劇場オペラ芸術監督。

 

【演出】アレックス・オリエ
Production:Àlex OLLÉ

バルセロナ生まれ。パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウスの6人の芸術監督の一人で、同カンパニーは世界的な評価を確立した。カルルス・パドリッサと共同演出したバルセロナ・オリンピック開会式をはじめとする大規模イベントや、演劇、映画と多くの分野で活動している。近年ではオペラの演出で特に活躍し、ザルツブルク音楽祭、ウィーン芸術週間、マドリード王立劇場、バルセロナ・リセウ大劇場、パリ・オペラ座、ブリュッセル・モネ劇場、英国ロイヤルオペラ、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、ザクセン州立歌劇場、ルールトリエンナーレ、ネザーランド・オペラ、ミラノ・スカラ座、ローマ歌劇場、オーストラリア・オペラなど世界中で活躍、『魔笛』『ノルマ』『仮面舞踏会』『イル・トロヴァトーレ』『ファウストの劫罰』『トリスタンとイゾルデ』『さまよえるオランダ人』『ペレアスとメリザンド』『ラ・ボエーム』『蝶々夫人』『青ひげ公の城』『消えた男の日記』『マハゴニー市の興亡』『火刑台上のジャンヌ・ダルク』など幅広い作品を手掛けている。新国立劇場初登場。

 

【トゥーランドット】イレーネ・テオリン
Turandot:Iréne THEORIN

現代を代表するドラマティックソプラノの一人として世界中で活躍している。ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、英国ロイヤルオペラ、ベルリン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ザルツブルク音楽祭、バイエルン州立歌劇場、パリ・オペラ座、ザクセン州立歌劇場、バイロイト音楽祭、バルセロナ・リセウ大劇場、ブリュッセル・モネ劇場、サンフランシスコ・オペラ、ローマ歌劇場など一流歌劇場、音楽祭に出演している。特にドイツ・オペラのドラマティックな役を得意とし『ニーベルングの指環』ブリュンヒルデ、『トリスタンとイゾルデ』イゾルデ、『エレクトラ』タイトルロール、『影のない女』バラクの妻などで活躍している。トゥーランドット役も得意とし、英国ロイヤルオペラ、サンフランシスコ・オペラ、バイエルン州立歌劇場、メトロポリタン歌劇場など多くの劇場で演じている。新国立劇場には2008年『トゥーランドット』タイトルロール、10年『ジークフリート』『神々の黄昏』ブリュンヒルデ、11年『トリスタンとイゾルデ』イゾルデ、16年『ワルキューレ』ブリュンヒルデに出演している。

 

【トゥーランドット】ジェニファー・ウィルソン
Turandot:Jennifer WILSON

アメリカ生まれ。2002年のコネチカット・オペラ『トゥーランドット』タイトルロールでオペラ・デビュー、同役ではその後もヒューストン・グランド・オペラ、サンタフェ・オペラ、英国ロイヤルオペラ、メトロポリタン歌劇場、バイエルン州立歌劇場などに出演している。また、ワーグナーを得意とし、『ニーベルングの指環』ブリュンヒルデではDVDで発売されているヴァレンシア歌劇場のほかフィレンツェ歌劇場に、『ワルキューレ』ではライプツィヒ歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、また『トリスタンとイゾルデ』イゾルデではシカゴ・リリック・オペラ、バルセロナ・リセウ大劇場など、『さまよえるオランダ人』ゼンタでワシントン・ナショナル・オペラ、ウィーン国立歌劇場などに出演している。『フィデリオ』レオノーレ、『影のない女』バラクの妻、『ナブッコ』アビガイッレ、『アイーダ』タイトルロールなどもレパートリーとしている。新国立劇場へは2012年『さまよえるオランダ人』ゼンタで出演。

 

【カラフ】テオドール・イリンカイ
Calaf:Teodor ILINCĂI

ルーマニア生まれ。オーボエ、ビザンチン音楽、音楽教育を学んだ後、声楽に転向。2008年にブカレストのルーマニア国立歌劇場にデビューして注目を集め、以後国際的に活躍している。レパートリーには『マクベス』マクダフ、『椿姫』アルフレード、『ドン・カルロ』タイトルロール、『ラ・ボエーム』ロドルフォ、『蝶々夫人』ピンカートン、『トスカ』カヴァラドッシ、『ロメオとジュリエット』ロメオ、『エウゲニ・オネーギン』レンスキー、『カヴァレリア・ルスティカーナ』トゥリッドゥなどがあり、ウィーン国立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、パリ・オペラ座、英国ロイヤルオペラ、ザクセン州立歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ライン・ドイツ・オペラ、ベルリン州立歌劇場、モネ劇場などで活躍している。近年ではドラマティックな役柄にも進出し、『イル・トロヴァトーレ』マンリーコ、『カルメン』ドン・ホセ、『トゥーランドット』カラフなどが予定されている。数々のコンクールで入賞しているほか、ルーマニア騎士章を授けられているほか、詩人としても高い評価を得ている。新国立劇場初登場。

 

【カラフ】デヴィッド・ポメロイ
Calaf : David POMEROY

カナダ出身のテノール。2009年に『ホフマン物語』タイトルロールでメトロポリタン歌劇場にデビュー。カナディアン・オペラ・カンパニー、バンクーバー・オペラ、カルガリー・オペラ、モントリオール・オペラ、マニトバ・オペラ、ニューヨーク・シティ・オペラ、メトロポリタン歌劇場、フランクフルト歌劇場、シュトゥットガルト州立劇場などで『ファウスト』タイトルロール、『カルメン』ドン・ホセ、『椿姫』アルフレード、『トスカ』カヴァラドッシ、『蝶々夫人』ピンカートン、『死の都』パウルなどに出演。最近では、エドモントン・オペラとカルガリー・オペラで『トゥーランドット』カラフ、ケルン歌劇場『フィデリオ』フロレスタン、『タンホイザー』タイトルロール、シアトル・オペラ『アイーダ』ラダメス、ブレゲンツ音楽祭『カルメン』ドン・ホセ、ヴァンクーバー交響楽団『ピーター・グライムズ』演奏会形式のタイトルロールなどに出演している。今シーズンはニューオーリンズ・オペラ、サンパウロ・テアトロ・ムニシパル『トゥーランドット』カラフ、リモージュ・オペラ『死の都』パウル、バンクーバー・オペラ『ファウスト』タイトルロール、シュトゥットガルト州立劇場『ナクソス島のアリアドネ』バッカスなどに出演。新国立劇場初登場。

 

【管弦楽】バルセロナ交響楽団
Orchestra: Barcelona Symphony Orchestra

1944年創立。2015年9月から大野和士が音楽監督を務めている。70年以上の歴史を通して、世界的に著名なソリストと共にファリャ、ビゼー、ロドリーゴらの作品に焦点を当てた録音をリリースした。ツアーも重要なプロジェクトのひとつであり、カーネギーホールなど世界的に著名なホールへの客演やロイヤル・アルバート・ホールで開催されるBBCプロムスなど国際的な音楽祭に出演している。リセウ大劇場のオペラ公演にも定期的に参加しており、近年ではプロコフィエフ『賭博師』、R.シュトラウス『ダフネ』、モーツァルト『魔笛』、ワーグナー『リエンツィ』、プッチーニ『外套』などに出演した。クラシック音楽から現代音楽まですべてのジャンル、とりわけカタルーニャ地方の作曲家の作品の普及に努めている。2019年の来日は実に24年ぶりとなる。

交響曲第13番『バビ・ヤール』
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