ゲルギエフ指揮 マリインスキー歌劇場 来日記念記者会見レポート

今年秋に行われるマリインスキー歌劇場『チャイコフスキー・フェスティヴァル2019』に先駆けて、指揮者のワレリー・ゲルギエフが記者会見を行った。

今回のフェスティバルは2019/11/28(木)~12/8(日)まで交響曲全6曲&協奏曲5曲のオーケストラ公演と2つのオペラ公演をそれぞれ行う。ロシアの名門オケと名指揮者がオール・チャイコフスキー・プログラムに取り組むとあって、聴衆からの期待が高まっている。

ゲルギエフはまず今回の公演について「東京でこの演奏会をすることができて本当に嬉しいです。サントリーホールも東京文化会館も響きを良く知っている素晴らしいホールなので。私は常に、有名な曲だけではなくてまだ知られていない名曲にも取り組みたいと考えています。今回、それを実現することができて幸せです」と述べた。

ワレリー・ゲルギエフ

チャイコフスキーというと、交響曲や協奏曲にファンが多く、オペラはそれらほど上演の機会を得ない。しかし、今回取り組むオペラ『スペードの女王』、『マゼッパ』(コンサート形式)についてゲルギエフは大きな可能性を感じているという。

「『スペードの女王』はみなさんご存知の通り、チャイコフスキーの名作オペラです。1860年からマリインスキー歌劇場で上演してきましたが、2013年に生まれ変わり、最新の技術を使ったパワフルなオペラへと進化しました。まさに規模が大きく壮大なステージで、とてもドラマティックです。素晴らしいレベルの歌手を集めているので外観だけでなく、内容も素晴らしいものになるでしょう」と語り、自信をみせた。

『マゼッパ』に関しては「この作品はとても意味が大きく、重要なオペラです。なぜなら、『オネーギン』のあとに作られた、オーケストレーションが特徴的なオペラだからです。オーケストラが素晴らしく、また歌もリッチでボリュームがあることが必要。上演するのが難しいオペラのひとつなのです。でも、『知られていない』なんて言葉は使いたくない。前からずっと取り組みたく、久しぶりにチャンスが来ました。余談ですが、私が24歳で指揮者のキャリアを歩み始めたとき、2番目に取り組んだのがこのオペラ。ですので思い出深くもあります」と今回この作品を上演することに思い入れがあることを表した。

ロシアの芸術を語るのに欠かせないのが、この2作のオペラの原作であるプーシキン。どんなに時代が変わっても彼の言葉は変わらず、今回の作品を通して彼の魅力にも気づいてもらえるだろうと期待を示した。

ワレリー・ゲルギエフ

オーケストラ公演では、友人であり、信頼するピアニスト辻井伸行とピアノ協奏曲第1番を演奏する。セルゲイ・ババヤンとのピアノ協奏曲第2、3番にも注目だ。他にヴァイオリンの五嶋龍、チェロのアレクサンドル・ブズロフとも共演する。

交響曲は人気の4、5、6番に加えて1、2、3番も演奏。チャイコフスキーが20代の若かりし頃に作曲した1番から約30年の間の成熟が表れるだろう。ゲルギエフは全ての交響曲を網羅し、聴衆に新たな発見を得てもらうことがとても重要だと語っていた。

この日、ゲルギエフは前日の札幌での公演を終え、夜の東京公演までの合間を縫って記者会を行っていた。その多大なるエネルギーの源について記者から質問が飛ぶと、「コンサートの準備というのは2、3か月前に行われているわけではない。音楽を始めた14歳の頃からすでに始まっているんです。音楽は自分の奥深くまで染みついています。昨日はショスタコーヴィチを演奏しましたが、これは今までの長い年月があるからこそ。例え長い休みがなくても、常に音楽が良き友人で、常にパワーをくれるんです。私は寝るときの枕からインスピレーションを得ることはないんですよ(笑)」と答え、会場の笑いを誘った。

ワレリー・ゲルギエフ

チケットは福岡公演は8/25(日)から、その他は好評発売中。各公演では25歳以下がお得に演奏を楽しめる『ゲルギエフ・シート』が用意されている。

ワレリー・ゲルギエフ指揮 マリインスキー歌劇場 『チャイコフスキー・フェスティヴァル2019』/マリインスキー歌劇場管弦楽団

【日時】
2019/11/28(木) 19:00開演
【場所】
福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
【出演】
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
ヴァイオリン:五嶋龍
【曲目】
ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ほか

【日時】
2019/11/30(土)・12/1(日) 15:00開演
【場所】
東京文化会館
【出演】
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽・合唱:マリインスキー歌劇場管弦楽団・合唱団
ゲルマン(テノール):ミハイル・ベキュア[11/30出演]
ゲルマン(テノール):ウラディーミル・ガルージン[12/1出演]
トムスキー公爵(バリトン):ウラディスラフ・スリムスキー[両日出演]
エレツキー伯爵(バリトン):ロマン・ブルデンコ[両日出演]
伯爵夫人(メゾソプラノ):アンナ・キクナーゼ[両日出演]
リーザ(ソプラノ):イリーナ・チュリロワ[両日出演]
ポリーナ(メゾソプラノ):ユリア・マトーチュキナ[11/30出演]
ポリーナ(メゾソプラノ):エカテリーナ・セルゲーエワ[12/1出演]
【曲目】
「スペードの女王」<全3幕>
原作:アレクサンドル・プーシキン
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
演出:アレクセイ・ステパニュク
上演時間:約3時間30分(休憩2回含む)

【日時】
2019/12/2(月) 18:00開演
【場所】
サントリーホール
【出演】
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽・合唱:マリインスキー歌劇場管弦楽団・合唱団
マゼッパ(バリトン):ウラディスラフ・スリムスキー
コチュベイ(バス):スタニスラフ・トロフィモフ
リュボフ(メゾソプラノ):アンナ・キクナーゼ
マリア(ソプラノ):マリア・バヤンキナ
アンドレイ(テノール):エフゲニー・アキーモフ
【曲目】
「マゼッパ」<全3幕>(コンサート形式)
原作:アレクサンドル・プーシキン
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
演出:アレクセイ・ステパニュク
上演時間:4時間(休憩2回含む)

【日時】
2019/12/5(木) 19:00開演
【場所】
サントリーホール
【出演】
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
チェロ:アレクサンドル・ブズロフ
【曲目】
チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

【日時】
2019/12/6(金) 19:00開演
【場所】
東京文化会館
【出演】
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
ヴァイオリン:五嶋龍
【曲目】
チャイコフスキー:交響曲第2番「小ロシア」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:交響曲第4番

【日時】
2019/12/7(土) 13:00開演
【場所】
東京文化会館
【出演】
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
ピアノ:セルゲイ・ババヤン、辻井伸行
【曲目】
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第3番(ピアノ:セルゲイ・ババヤン)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番(ピアノ:辻井伸行)

【日時】
2019/12/7(土) 18:00開演
【場所】
東京文化会館
【出演】
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
ピアノ:セルゲイ・ババヤン
【曲目】
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番
チャイコフスキー:交響曲第5番

【日時】
2019/12/8(日) 14:00開演
【場所】
フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール)
【出演】
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
ヴァイオリン:五嶋龍
【曲目】
シチェドリン:管弦楽のための協奏曲 第1番「お茶目なチャストゥーシュカ」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

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ワレリー・ゲルギエフ(芸術総監督、首席指揮者)
Valery Gergiev, General Artistic Director

ワレリー・ゲルギエフ

 

マリインスキー劇場芸術総監督、首席指揮者。 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者。 チャイコフスキー国際コンクール組織委員会委員長。PMF芸術監督。 オセチア出身の両親のもと、1953年モスクワに生まれ、レニングラード音楽院でイリヤ・ムーシンに師事。在学中にカラヤン指揮者コンクールで1位なしの2位に入賞し、キーロフ劇場(現マリインスキー劇場)に指揮者として招かれた。1988年、35歳の若さでキーロフ劇場オペラの芸術監督に就任。1996年からは芸術監督と総裁を兼任している。これまでに数多くの世界的な名歌手を育成し、音楽界に送り出している。その采配のもとで同劇場はオペラおよびバレエのレパートリーを大きく広げ、現在では18世紀から20世紀までのクラシックの傑作から、現代作曲家の作品にいたるまで、幅広いレパートリーを誇っている。 「白夜の星」音楽祭、ロッテルダム・ゲルギエフ音楽祭(オランダ)、モスクワ復活祭音楽祭などの音楽祭を創設し、芸術監督、音楽監督として活躍。 マリインスキー劇場において数多くの世界的な名歌手を育成し、音楽界に送り出してきた。その采配のもとで同劇場はオペラおよびバレエのレパートリーを大きく広げ、現在では18世紀から20世紀までのクラシックの傑作をはじめ、現代作曲家の作品にいたるまで、幅広いレパートリーを誇っている。  ゲルギエフは07年~15年までロンドン交響楽団の首席指揮者を務めたほか、近年は、メトロポリタン・オペラ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座管弦楽団などと共演している。

 

マリインスキー劇場
The Mariinsky Theatre

マリインスキー劇場

世界的にも有名な芸術文化の殿堂。 マリインスキー劇場の擁するオペラ、バレエは、世界最高峰を誇り、各国での引越公演は喝采とともに讃えられている。 1783年創設。1860年には アレクサンドル二世の皇后マリアにちなんだマリインスキー劇場が完成した。その後1935年から92年まで は、キーロフ劇場の名で、ロシアの古典オペラの多くを世界初演するとともに、いつの時代もヨーロッパの一流オペラ作曲家の作品を上演してきた。2006年には 火災に遭ったアトリエ兼倉庫の跡地に新しいコンサートホール、2013年5月には歴史ある劇場に並んで新劇場マリインスキーIIが完成。2016年ウラジオストクにマリインスキー劇場と提携する形でプリモルスキー・ステージがスタートした。マリインスキー劇場は、複合的な設備を備えた劇場へと生まれ変わり、更なる飛躍の時を迎えている。

 

チャイコフスキー:交響曲第4番、第5番(2010年パリ・ライヴ)
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チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
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チャイコフスキー:歌劇『スペードの女王』全曲
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発売日 : 2002/05/17
レーベル : Philips Classics
フォーマット : DVD
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