2019年10月21日
ジョナサン・ノット&東京交響楽団『Season 7』2020年度シーズンラインナップ記者会見

音楽監督のイギリス人指揮者ジョナサン・ノットと東京交響楽団の7年目となる2020年度シーズンのラインナップ記者会見が10/8(火)にミューザ川崎で行なわれた。
「これまでの7年を振り返り、そしてこの先の7年を見据える中で、様々なアイデアをミックスさせながら、私にとって大事なものを結晶のようにまとめあげることがベストだと考え、今回のプログラムを作った」と語るノット。
2020年度シーズンのハイライトは、ヨーロッパ音楽史上燦然と輝くワーグナーの大作「トリスタンとイゾルデ」。ノットと東響がモーツァルトのダ・ポンテ三部作の次に挑む演奏会形式のオペラとなる。また、第1週目の第1幕は、ワーグナーに憧れ敬愛したシェーンベルクが書いた唯一の交響詩で、「トリスタンとイゾルデ」の影響が随所に垣間見られる「ペレアスとメリザンド」とのカップリングでの上演だ。
「多くの皆さんからご好評いただき大成功を収めることができたダ・ポンテ三部作に続く、コンサート形式のオペラでお贈りする、ワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』。実は、先のシェーンベルク『グレの歌』を経験することで、オーケストラがメゾフォルテやメゾピアノのような深みのある音で歌手としっかり対峙できるんだということを確信できた」と、ミューザ川崎シンフォニーホール開館15周年記念公演として先週まで行なわれていた「グレの歌」が良い”プレ・トライアル”にもなったと語った上で、オーケストラ、歌手、そして聴衆が一体となってひとつの音楽を作り出せる演奏会形式による「トリスタンとイゾルデ」への強い思いを明かした。
トリスタン役には、今もっとも注目されているヘルデンテノールのひとり、ブライアン・レジスター、イゾルデ役には、トゥーランドットからエレクトラ、ブリュンヒルデまで幅広い役柄をレパートリーに持つリサ・リンドストローム(ソプラノ)といった第一線で活躍する歌手を招聘。オーケストラ、オペラ、双方のファンを魅了する、まさに豪華絢爛の顔触れとなる。
また、2020/4/26(日)に開催される日英交流年スペシャルプログラム「UK in JAPAN 2019-20」では、日英の架け橋となる作曲家・藤倉大の「海」を採り上げることも発表された。文化交流の年にふさわしい、聴きごたえ十分のコンサートになることだろう。
その他のチクルスは、ブルックナー、ベートーヴェン。さらには、かねてからのファンとの交流で挙がった「日本の音楽を聴きたい」というリクエストの声を受ける形で、2020/11/14(土)の「名曲全集」、2020/11/15(日)の「第686回定期演奏会」では、小菅優を迎えて矢代秋雄のピアノ協奏曲を採り上げる。
ノットがこよなく愛し、最も大切にするレパートリーの筆頭に上がる「トリスタンとイゾルデ」を、白眉としてお馴染みの指揮者陣に客演指揮者も交えて披露される多彩なプログラムの数々に、オーケストラとしての充実ぶりが伺える。
ジョナサン・ノット&東京交響楽団 『Season 7』
2020年度シーズン ラインナップ
東京オペラシティシリーズ 第114回
公演日:2020/4/18(土)14:00 開演
会場:東京オペラシティコンサートホール
指揮:ジョナサン・ノット
ヴァイオリン:辻彩奈
曲目:ストラヴィンスキー:バレエ音楽「カルタ遊び」/酒井健治:ヴァイオリン協奏曲「G線上で」/ベートーヴェン:交響曲 第2番 ニ長調 op.36
第679回 定期演奏会
公演日:2020/4/25(土)18:00 開演
会場:サントリーホール
指揮:ジョナサン・ノット
バスバリトン:ニール・デイヴィス
合唱:東響コーラス
曲目:藤倉 大:海/エルガー:エニグマ変奏曲 op.36/ウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」~バリトン独唱、混声合唱とオーケストラのためのカンタータ
川崎定期演奏会 第75回
公演日:2020/4/26(日)14:00 開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:ジョナサン・ノット
バスバリトン:ニール・デイヴィス
合唱:東響コーラス
曲目:藤倉 大:海/エルガー:エニグマ変奏曲 op.36/ウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」~バリトン独唱、混声合唱とオーケストラのためのカンタータ
東京オペラシティシリーズ 第116回
公演日:2020/7/18(土)14:00 開演
会場:東京オペラシティコンサートホール
指揮:ジョナサン・ノット
ヴィオラ:ディミトリ・ムラト
曲目:ムソルグスキー:はげ山の一夜(原典版)/ベリオ:声(フォーク・ソングII)~ヴィオラと2つの楽器グループのための/チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 op.74「悲愴」
第682回 定期演奏会
公演日:2020/7/25(土)18:00 開演
会場:サントリーホール
指揮:ジョナサン・ノット
弦楽四重奏:ロータス・カルテット(小林幸子[1st.Vn]/マティアス・ノインドルフ[2nd.Vn]/山碕智子[Va]/齋藤千尋[Vc])
曲目:ラッヘンマン:「ドイツ国歌を伴う舞踏組曲」~弦楽四重奏とオーケストラのための/マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
東京交響楽団 第120回新潟定期演奏会
公演日:2020/7/26(日)17:00 開演
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
指揮:ジョナサン・ノット
弦楽四重奏:ロータス・カルテット
曲目:ラッヘンマン:「ドイツ国歌を伴う舞踏組曲」~弦楽四重奏とオーケストラのための/マーラー:交響曲 第5番
川崎定期演奏会 第77回
公演日:2020/10/9(金)18:30 開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:ジョナサン・ノット
トリスタン/テノール:ブライアン・レジスター
イゾルデ/ソプラノ:リサ・リンドストローム
ブランゲーネ/メゾソプラノ:クラウディア・マーンケ
マルケ王/バス:ミハイル・ペトレンコ
クルヴェナール/バリトン:マルクス・ヴェルバ
水夫、メロート、牧童/テノール:アンジェロ・ポラック
舵手/バリトン:髙田智士
合唱:新国立劇場合唱団
演出:彌勒忠史
曲目:シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」op.5/ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(演奏会形式・字幕付き)第1幕
第684回 定期演奏会
公演日:2020/10/11(日)14:00 開演
会場:サントリーホール
指揮:ジョナサン・ノット
トリスタン/テノール:ブライアン・レジスター
イゾルデ/ソプラノ:リサ・リンドストローム
ブランゲーネ/メゾソプラノ:クラウディア・マーンケ
マルケ王/バス:ミハイル・ペトレンコ
クルヴェナール/バリトン:マルクス・ヴェルバ
水夫、メロート、牧童/テノール:アンジェロ・ポラック
舵手/バリトン:髙田智士
合唱:新国立劇場合唱団
演出:彌勒忠史
曲目:シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」op.5/ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(演奏会形式・字幕付き)第1幕
川崎定期演奏会 第78回
公演日:2020/10/15(木)18:30 開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:ジョナサン・ノット
トリスタン/テノール:ブライアン・レジスター
イゾルデ/ソプラノ:リサ・リンドストローム
ブランゲーネ/メゾソプラノ:クラウディア・マーンケ
マルケ王/バス:ミハイル・ペトレンコ
クルヴェナール/バリトン:マルクス・ヴェルバ
水夫、メロート、牧童/テノール:アンジェロ・ポラック
舵手/バリトン:髙田智士
合唱:新国立劇場合唱団
演出:彌勒忠史
曲目:ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(演奏会形式・字幕付き)第2幕/第3幕
第685回 定期演奏会
公演日:2020/10/17(土)18:00 開演
会場:サントリーホール
指揮:ジョナサン・ノット
トリスタン/テノール:ブライアン・レジスター
イゾルデ/ソプラノ:リサ・リンドストローム
ブランゲーネ/メゾソプラノ:クラウディア・マーンケ
マルケ王/バス:ミハイル・ペトレンコ
クルヴェナール/バリトン:マルクス・ヴェルバ
水夫、メロート、牧童/テノール:アンジェロ・ポラック
舵手/バリトン:髙田智士
合唱:新国立劇場合唱団
演出:彌勒忠史
曲目:ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(演奏会形式・字幕付き)第2幕/第3幕
東京オペラシティシリーズ 第116回
公演日:2020/7/18(土)14:00 開演
会場:東京オペラシティコンサートホール
指揮:ジョナサン・ノット
ヴィオラ:ディミトリ・ムラト
曲目:ムソルグスキー:はげ山の一夜(原典版)/ベリオ:声(フォーク・ソングII)~ヴィオラと2つの楽器グループのための/チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 op.74「悲愴」
名曲全集 第161回<後期>
公演日:2020/11/14(土)14:00 開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:ジョナサン・ノット
ピアノ:小菅優
曲目:矢代秋雄:ピアノ協奏曲/ブルックナー:交響曲 第6番
第686回 定期演奏会
公演日:2020/11/15(日)14:00 開演
会場:サントリーホール
指揮:ジョナサン・ノット
ピアノ:小菅優
曲目:矢代秋雄:ピアノ協奏曲/ブルックナー:交響曲 第6番 イ長調 WAB.106
「第九」2020
公演日:2020/12/28(月)18:30 開演
会場:サントリーホール
指揮:ジョナサン・ノット
ソプラノ:ジャクリン・ワーグナー
メゾソプラノ:カトリオーナ・モリソン
テノール:クリスティアン・エルスナー
バスバリトン:リアン・リ
合唱:東響コーラス
曲目:ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125 「合唱付」
「第九」2020
公演日:2020/12/29(火)14:00 開演
会場:サントリーホール
指揮:ジョナサン・ノット
ソプラノ:ジャクリン・ワーグナー
メゾソプラノ:カトリオーナ・モリソン
テノール:クリスティアン・エルスナー
バスバリトン:リアン・リ
合唱:東響コーラス
曲目:ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125 「合唱付」
ジョナサン・ノット(東京交響楽団 第3代音楽監督)
Jonathan Nott
東京交響楽団第3代音楽監督。古典から 現代曲まで幅広いレパートリーと抜群のプログラミングセンスを持つ。
1962年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で音楽を専攻し、マンチェスターのロイヤル・ノーザン・カ レッジでは声楽とフルートを学び、その後ロンドンで指揮を学んだ。ドイツのフランクフルト歌劇場と ヴィースバーデン・ヘッセン州立劇場で指揮者としてのキャリアをスタートし、オペラ作品に数多く取り組む。1997年~2002年ルツェルン交響楽団首席指揮者兼ルツェルン劇場音楽監督、2000年~2003年アンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督(2004年~2006年は客演指揮者)、2000年~2016年ドイツ・バンベルク交響楽団の首席指揮者を務めた。2017年1月にはスイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督に就任。
2010年、バンベルク響とのCD「マーラー交響曲第9番」を世界で権威あるフランスのMidem音楽賞最優秀交響曲・管弦楽作品部門賞受賞へ導き、オーケストラの知名度を一躍広めた。その多岐にわたる活躍が評価され、2009年バイエルン文化賞が贈られた。2016 年 7 月にバンベルク大聖堂にて開催された同響とのラストコンサートでは、大司教より功労勲章が授与された。
ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、シカゴ響、ロサンゼルス・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、チューリヒ・トーンハレ管、ライプツィヒ・ ゲヴァントハウス管、ドレスデン・シュターツカペレ、バイエルン放送響、サンタ・チェチーリア管など、世界一流のオーケストラと客演を重ねている。
レコーディング活動においてもノットの多彩な才能が生かされており、ベルリン・フィルを指揮したリゲティの作品全集(Teldec)や、アンサンブル・アンテルコンタンポランとのエマヌエル・ヌネス作品集、ラッヘンマン作品集、ジョン・アダムズの DVD といった現代作品や、バンベルク響とのマーラー、ブルックナー、シューベルト、ストラヴィンスキーの作品(Tudor)のほか、東京交響楽団とはオクタヴィアレコードから6作品がリリース。なかでも『マーラー:交響曲第10番&ブルックナー:交響曲第9番』が、2018年第31回「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」(優秀録音作品賞/オーディオ部門)を受賞した。

発売日 : | 2019/09/18 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |

発売日 : | 2019/03/20 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |

発売日 : | 2018/07/18 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |

発売日 : | 2018/03/21 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |

発売日 : | 2017/10/18 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |

発売日 : | 2017/05/24 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |

発売日 : | 2016/12/16 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |
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