2020年02月07日
東京2020 NIPPON フェスティバル主催 『KABUKI×OPERA「光の王」Presented by ENEOS』―主演に市川海老蔵

東京2020 NIPPON フェスティバルが主催する『KABUKI×OPERA「光の王」Presented by ENEOS』が、4/18(土)に東京体育館(東京都渋谷区)で開催されることが決定し、記者会見が行われた。
(写真は左から、東京2020組織委員会副事務総長の古宮正章氏、東京2020オリンピック マスコットのミライトワ、歌舞伎俳優の市川海老蔵氏、東京2020パラリンピック マスコットのソメイティ、JXTGエネルギー株式会社 取締役常務執行役員の中原俊也氏)
本公演は、歌舞伎俳優の市川海老蔵が主演を務め、ソプラノ歌手のアンナ・ピロッツィ、バス・バリトン歌手のアーウィン・シュロットなども出演。演出は藤間勘十郎、指揮者はジョルディ・ベルナセル、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が担当し、本フェスティバルの記念すべき、最初の主催プログラムとなる。キャッチコピーに「挑戦とは何だ」を掲げ、異なる2つの伝統を融合させる挑戦、巨大な舞台で行う挑戦、歴史ある芸術をどのように現代・未来へ向けて新たに作り上げるかという挑戦など様々な「挑戦」が設定されている。
気になる内容は、「善と悪の対決」を描いた物語となる予定だ。伝統的な数々の歌舞伎の名作をベースにしつつ、東京2020大会の公式イベントにふさわしい祝祭感ある物語が新たに創作される。この新たな歌舞伎の物語の中に、日本人にとって馴染み深いオペラ楽曲を織り込むことで、歌舞伎とオペラが一体となる。東西文化の融合の一環として、歌舞伎俳優とオペラ歌手がストーリー上で調和していく姿を描き出す。歌、ダンス、立ち回りといったパフォーマンスと、東京フィルハーモニー交響楽団が奏でる荘厳なオーケストラにも注目が集まる。
市川は「今回のオリンピックのテーマは、<レガシー>、<多様性と調和>。オペラや歌舞伎、様々な芸能が多様的で、それらが調和していくことが一つのテーマ。そこを作品の骨格に入れながら制作できれば」と話す。『挑戦とは何だ』というキャッチコピーについては、「昨今、挑戦しづらい世の中になってきているような気がする。挑戦すると、周りから何か言われるような風潮が強いかと思う。これを機に、何を言われても動じていないような事に挑戦していく。己も、オペラ歌手もスタッフも新しい事に挑戦することになる。各々の挑戦にもつながる。(作品が)大きく羽ばたくことを願って制作に入るのは、挑戦という言葉に合っているのではないか」と語る。
襲名直前という公演の時期については、「海老蔵として、ほぼ最後の舞台なので、海老蔵としてできることを思い切りやって務めきりたい」と意気込んだ。過去には、父・市川團十郎も「オペラと歌舞伎」の公演に挑戦したことがあり、「オペラのオペレッタ、歌舞伎の新歌舞伎は、大体同じくらいの時代なので父も興味を持ってやっていた」とも。
「オリンピック、パラリンピックが盛り上がる一つの起爆剤になればと思う。多くの方々に見てもらいたい。様々な挑戦をしていく、日本人として精一杯、オリンピック、パラリンピックに向かっていく事を皆さんに見ていただきたい。それが結果として、レガシーとして残ったら、参加した人間、見ていただいた人間、関わった皆様に喜んでもらえるのでは」と語る。
出演するオペラ歌手からもビデオメッセージが届いた。アンナ・ピロッツィは「今回が、初の来日となる。重要な文化イベントに参加することができ、大変光栄で幸せ。歌舞伎の演出と教えを重んじ、最高のパフォーマンスをしたい。ビバ!東京2020」と、明るくコメント。アーウィン・シュロットは、日本語で「メトロポリタンのオペラと国立歌劇場の日本公演以来の来日。このエキサイティングなプロジェクトをとても楽しみにしている」とコメントを寄せた。
本公演の50組100名へのチケットプレゼントキャンペーンや、伝統文化を次世代まで継承することを目的に歌舞伎教室への招待も予定する(詳細は2月中旬に発表)。
東京2020 NIPPON フェスティバル
世界の注目が日本・東京に集まる2020 年3 月下旬から9 月にかけて実施する、東京2020 大会の公式文化プログラム。日本が誇る文化を国内外に強く発信するとともに、共生社会の実現を目指して多様な人々の参加や交流を生み出すことや、文化・芸術活動を通して多くの人々が東京2020 大会へ参加できる機会をつくり、大会に向けて期待感を高めることを目的としていく。
東京2020 NIPPON フェスティバル
KABUKI×OPERA「光の王」Presented by ENEOS
【日時・場所】
2020/4/18(土) 17:00開演(予定)
東京体育館
出演:十一代目市川海老蔵(歌舞伎俳優)、アンナ・ピロッツィ(ソプラノ歌手)、アーウィン・シュロット(バス・バリトン歌手)ほか
演出:藤間勘十郎(宗家藤間流八世宗家)
指揮:ジョルディ・ベルナセル
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
市川 海老蔵(歌舞伎俳優)
Ichikawa Ebizo Ⅺ, Kabuki actor
©Tokyo 2020
十二代目市川團十郎の長男として東京に生まれる。1983年歌舞伎座『源氏物語』の“春宮”で初お目見得。1985年歌舞伎座『外郎売』の“貴甘坊”を勤め七代目市川新之助を襲名。2004年歌舞伎座にて十一代目市川海老蔵を襲名。
日本の伝統芸能を次世代に伝えるべく、自ら企画した「古典への誘(いざな)い」「ABKAI」などの自主公演にも力を入れている。また国外では、パリ国立シャイヨー宮劇場(2004)にて十一代目市川海老蔵襲名披露公演を果たし、その後の海外公演は、ロンドン・アムステルダム(2006)、パリ・オペラ座(2007)、モナコ・オペラ座 (2009)、ロンドン・ローマ(2010)、シンガポール(2014, 2015)、アラブ首長国連邦(2016)、ニューヨーク・カーネギーホール(2016)にて出演する。2006年にローレンス・オリビエ賞にノミネート、2007年にはフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
歌舞伎だけでなくの映像の世界では、2014年に映画「利休にたずねよ」で、第37回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞している。また2015年より東京2020組織委員会文化・教育委員会を務めている。2020年5月より十三代目市川團十郎白猿を襲名する。
アンナ・ピロッツィ(ソプラノ歌手)
Anna Pirozzi, Soprano singer
©Tokyo 2020
1975年生まれ、イタリア出身。生粋のヴェルディソプラノと称され、そのドラマティック・ソプラノと圧倒的な声で世界の名指揮者とオペラハウスを魅了。スカラ座のオープニングを飾る等、現在最も高い評価を受けているプリマドンナの初来日公演となる。
アーウィン・シュロット(バス・バリトン歌手)
Erwin Schrott, Bass Baritone Singer
©Tokyo 2020
1972年生まれ、ウルグアイ出身。ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、パリ国立オペラ、バイエルン国立歌劇場、ワシントン・ナショナル・オペラ、ウイーン国立歌劇場他、世界の名だたる歌劇場において国際的な評価を得る、南米屈指の若手バリトン歌手。
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