2020年02月07日
『炎のコバケン』小林研一郎 80歳記念プロジェクト記者会見

『炎のコバケン』こと指揮者・小林研一郎が『小林研一郎 80歳(傘寿)記念プロジェクト』の記者会見に登壇した。
2020/4/9に小林が80歳の傘寿を迎えることを祝って、本プロジェクトシリーズが2018年9月にスタートした。皮切りとなったのはハンガリー放送交響楽団 日本公演。名古屋・東京で開催し、東京公演には上皇上皇后両陛下がご臨席した。
今後は、日本フィルハーモニー交響楽団との『チャイコフスキー交響曲全曲チクルス』、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団 日本ツアーが待ち構えている。
自身が80歳を迎えることに関して小林は、今年の大相撲初場所で初優勝を果たした徳勝龍の言葉を引用し「もう80歳、ではなくまだ80歳という気持ちでいたいです」と語り、「作曲家のことも音楽家のことも勉強したいことがまだまだ沢山あるんです」とこれからも躍進を続けていきたいと決意を伝えた。
小林とチャイコフスキーは切っても切れない関係にある。ロンドン・フィルとのスタジオ録音をはじめ、国内外のオーケストラと数多く共演を重ね、演奏が年を増すごとに円熟している。
チャイコフスキーを演奏することに関しては「作曲家本人が私の側まで降りてくるような感覚になることがあります。その時の自分はまるであやつり人形のよう。自分の意志とは別の自分が生まれ、極上の世界にたどり着けます」と述べた。
また「今回ひとつの区切りを迎えて演奏するチャイコフスキーは、自分が9歳でクラシック音楽に夢中になった頃のような新鮮さをもって演奏することができるのではないかと大変楽しみです」と語り『コバケンの真骨頂』が見れるのではないかと期待できる。
コバケンの演奏といえば、同じ曲でも毎回の演奏会ごとにテンポが変わったり、別のアングルからの解釈を感じさせたりと常に聴衆を飽きさせず、演奏を聴いた誰もが満足させられる。記者からは年齢を重ねることによる音楽への向き合い方の変化について質問が飛んだ。
それについて小林は「音楽をするというのは、小さなボートに乗って大海を旅するようなもの。揺られたり、良いものに出会ったかと思えば危険にさらされたり…安全なものではありません。年齢を重ねたからといって決して慣れることはなく、常に発見と驚きの連続です。今でもスコアを覗いては新しいことに気づき、その喜びに涙するのです」と答えた。
『炎のコバケン』と呼ばれることに関しては「音楽に取り組むとき、自分では炎に水をかけているつもりでいます。つまり、極めて冷静になっているのです。ですので、この呼び方には恥じらいを感じますね」と語った。
静けさの中に存在する炎。コンサートホールの中で、これからどんなタクトを振るのかとても楽しみだ。
マエストロ小林研一郎 80th祝祭演奏会
『小林研一郎 傘寿 × チャイコフスキー生誕180周年記念』
【日程】
2020/4/7(火)~12(日)
【場所】
サントリーホール 大ホール
【出演】
指揮:小林研一郎
ピアノ:上原彩子(4/11)
ヴァイオリン:神尾真由子(4/12)
オーケストラ:日本フィルハーモニー交響楽団
【曲目】
オール・チャイコフスキー・プログラム
4/7 〈Aプロ〉
交響曲第1番 ト短調 op.13《冬の日の幻想》
交響曲第4番 ヘ短調 op.36
4/9 〈Bプロ〉
交響曲第2番 ハ短調 op.17《小ロシア》
交響曲第5番 ホ短調 op.64
4/10〈Cプロ〉
交響曲第3番 ニ長調 op.29《ポーランド》
交響曲第6番 ロ短調 op.74《悲愴》
4/11〈Dプロ〉
ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23
マンフレッド交響曲 op.58
4/12〈GALA〉
オペラ《エフゲニー・オネーギン》から「ポロネーズ」
弦楽セレナーデ ハ長調 op.48
ヴァイオリン協奏曲
祝典序曲《1812年》op.49
ほか、名古屋、大阪で開催
『ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団 日本ツアー』
【日程】
2020/11/13(金)、16(月)
【場所】
東京芸術劇場コンサートホール
【出演】
指揮:小林研一郎
ソプラノ:市原愛(11/13)
アルト:山下牧子(11/13)
ヴァイオリン:千住真理子(11/16)
オーケストラ:ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団
【曲目】
11/13
マーラー:交響曲第2番「復活」
11/16
ベートーヴェン:序曲「エグモント」
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲1番
ベートーヴェン:交響曲第7番 他
小林研一郎(指揮)
Ken-ichiro Kobayashi, Conductor
東京藝術大学音楽学部作曲科および指揮科を卒業。第1回ブダペスト国際指揮者コンクール第1位、特別賞受賞。これまでに世界有数の音楽祭に出演するほか、国内外の数多くのオーケストラのポジションを歴任。ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を始めとする数々の海外オーケストラの日本公演や、日本フィルハーモニー交響楽団などの海外公演を成功へと導くなど、文化を通じた国際交流や社会貢献によって、2011年に文化庁長官表彰、2013年には旭日中綬章が授与された。また、ハンガリー政府よりリスト記念勲章、ハンガリー文化勲章、星付中十字勲章、ハンガリー文化大使の称号を授与された。チェコ、オランダでも長年にわたり重責を担ってきた。
作曲家としても数多くの作品を書き、1999年には日本・オランダ交流400年記念の委嘱作品、管弦楽曲『パッサカリア』を作曲、ネーデルランド・フィルで初演されると、聴衆から熱狂的な喝采を以て迎えられた。同作品はそれ以降も様々な機会に再演されている。
CD、DVDはオクタヴィア・レコードより多数発売され、既刊の書籍には、『指揮者のひとりごと』(騎虎書房)等がある。
2005年からは社会貢献を目的とした「コバケンとその仲間たちオーケストラ」で活動趣旨に賛同するプロ、アマチュア、学生などのボランティアメンバーと共に全国でチャリティ公演も行っている。音楽に対する真摯な姿勢と情熱的な指揮ぶりは「炎のコバケン」の愛称で親しまれ、国内外オーケストラへの客演も多く日本を代表する指揮者である。
現在、日本フィルハーモニー交響楽団桂冠名誉指揮者、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団桂冠指揮者、読売日本交響楽団特別客演指揮者、群馬交響楽団ミュージック・アドバイザー、九州交響楽団名誉客演指揮者、東京藝術大学、及びリスト音楽院名誉教授、東京文化会館音楽監督、長野県芸術監督団音楽監督、ローム ミュージック ファンデーション評議員などを務める。
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発売日 : | 2015/03/27 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |

発売日 : | 2014/03/26 |
レーベル : | Octavia Exton |
フォーマット : | SACD |

発売日 : | 2013/12/18 |
レーベル : | Octavia Exton |
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発売日 : | 2013/07/24 |
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発売日 : | 2014/09/26 |
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発売日 : | 2014/04/23 |
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発売日 : | 2007/08/22 |
レーベル : | Octavia Exton |
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