NHK交響楽団

NHK交響楽団は1926年10月5日に新交響楽団の名称で結成された。1951年には日本放送協会(NHK)の支援を受けることとなり、NHK交響楽団と改称。この間、ドイツからジョセフ・ローゼンストックを専任指揮者として迎え、日本を代表するオーケストラとしての基礎を築いた。演奏活動の根幹となる定期公演は、1927年2月20日の第1回予約演奏会に始まり、第2次大戦中も中断することなく続けられた。以来、今日に至るまで、ヘルベルト・フォン・カラヤン、エルネスト・アンセルメ、ヨーゼフ・カイルベルト、ロヴロ・フォン・マタチッチ、ウォルフガング・サヴァリッシュ、ロリン・マゼールなど、世界一流の指揮者を次々と招聘、また、話題のソリストたちと共演し、歴史的名演を残している。

年間54回の定期公演をはじめ、全国各地で約120回のコンサートを行い、その演奏は、NHKのテレビ・FMで日本全国に放送されるとともに、国際放送を通じて全世界にも紹介されている。2013年8月にはザルツブルク音楽祭に初出演、2020年春にベルリン、ウィーンをはじめ、ヨーロッパ主要9都市で公演を行うなど、その活動ぶりと演奏は国際的にも高い評価を得ている。

近年はオーケストラの人材を育成する「N響アカデミー」、全国の学校を訪問し身近に音楽の楽しさを伝える「NHKこども音楽クラブ」など、次世代を育てるための多彩な活動を行っている。また東京2020オリンピック閉会式では「オリンピック賛歌」、2022年2月の北京冬季オリンピックでは、NHKのウィンタースポーツテーマソング《Fly High》(歌・milet)の演奏を担った。

コロナ禍の影響により2020-21シーズンの定期公演は、すべて中止という前例のない事態となった。しかし専門家の助言や科学的な実験をもとに万全な感染対策を講じ「特別公演」を毎月開催。2021-22シーズンには定期公演を再開し、制約の多い日々を過ごす人々に音楽を届け続けている。

指揮者陣には、首席指揮者ファビオ・ルイージ、名誉音楽監督シャルル・デュトワ、桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット、桂冠指揮者ウラディーミル・アシュケナージ、名誉指揮者パーヴォ・ヤルヴィ、正指揮者外山雄三、尾高忠明を擁している。

指揮者

  • ファビオ・ルイージ

    首席指揮者

    ファビオ・ルイージ Fabio Luisi

    1959年、イタリア・ジェノヴァ生まれ。デンマーク国立交響楽団首席指揮者、ダラス交響楽団音楽監督を務める。これまでにメトロポリタン歌劇場首席指揮者、チューリヒ歌劇場音楽総監督、ウィーン交響楽団首席指揮者、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団および同歌劇場音楽総監督、MDR(中部ドイツ放送)交響楽団芸術監督、スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督などを歴任。

    このほか、イタリアのマルティナ・フランカで行われるヴァッレ・ディートリア音楽祭音楽監督も務めている。また、フィラデルフィア管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラに定期的に客演し、世界の主要オペラハウスにも登場している。

    録音には、ヴェルディ、ベッリーニ、シューマン、ベルリオーズ、ラフマニノフ、リムスキー・コルサコフ、マルタン、そしてオーストリア人作曲家フランツ・シュミットなどがある。また、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団とは数々のR.シュトラウスの交響詩を収録しているほか、ブルックナー《交響曲第9番》の解釈は高く評価されている。メトロポリタン歌劇場とのワーグナー《ジークフリート》《神々のたそがれ》の録音ではグラミー賞を受賞した。N響とは2001年に初共演。2022年9月、N響首席指揮者就任。

  • nhkso_名誉音楽監督_シャルル・デュトワ

    名誉音楽監督

    シャルル・デュトワ Charles Dutoit

  • nhkso_桂冠名誉指揮者_ヘルベルト・ブロムシュテット

    桂冠名誉指揮者

    ヘルベルト・ブロムシュテット Herbert Blomstedt

  • nhkso_桂冠指揮者_ウラディーミル・アシュケナージ

    桂冠指揮者

    ウラディーミル・アシュケナージ Vladimir Ashkenazy

  • パーヴォ・ヤルヴィ

    名誉指揮者

    パーヴォ・ヤルヴィ Paavo Järvi

  • 正指揮者

    外山雄三 Yuzo Toyama

  • nhkso_正指揮者_尾高忠明

    正指揮者

    尾高忠明 Tadaaki Otaka

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