東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団



1975年、自主運営のオーケストラとして指揮者 堤俊作を中心に若く才能ある演奏家たちによって設立。同年ベオグラード音楽祭開幕演奏会を含むヨーロッパ公演、香港・マカオ公演を成功させ、プロ・オーケストラとしての軌道を築く。
1985年、オーストラリアのブリスベーンとシドニーで行われた、テレビ朝日『題名のない音楽会』 20周年記念演奏会に出演して各地で絶賛され、94年には日本音楽コンクール(毎日新聞社、日本放送協会主催)よりオーケストラとして初めて特別賞を贈られた。
年間100回を超える公演は、定期演奏会および特別演奏会を柱に、オペラ、バレエ公演やポップスコンサート、映画音楽、テレビ出演、CD録音、音楽鑑賞教室まで多岐にわたる。
特にテレビにおいては、テレビ朝日『題名のない音楽会』を通じてその新鮮な魅力溢れる演奏を披露し、 日本全国で好評を博している。
1994年からは東京都江東区と芸術提携を結び、ティアラこうとうを主な拠点として各種コンサートや公開リハーサル、ファンと楽団員との交流会、楽器の公開レッスン、音楽セミナーなど、地域に根ざした音楽文化の振興を目的に幅広い活動を行っている。
1997年9月には、ドイツ音楽、特にワーグナー指揮者として名高い飯守泰次郎が常任指揮者に就任(2012年から桂冠名誉指揮者)。 飯守の情熱的な音楽創りと東京シティ・フィルとが織りなすエネルギッシュで豊かな音楽表現は、聴衆の多大な支持を集め、特に2000年9月から4年がかりで展開してきた「東京シティ・フィル オーケストラル・オペラ『ニーベルングの指環』」 全4部作上演(高島勲演出・構成)では、飯守&東京シティ・フィルの創り出す高水準のワーグナー音楽が各方面から 大きな反響を巻き起こすと共に、常に高い評価を得ることに成功。続く『ローエングリン』、「舞台神聖祝祭劇『パルジファル』」、『トリスタンとイゾルデ』でも高水準の音楽と舞台が評価され、 『ローエングリン』で三菱信託音楽賞奨励賞を受賞した。
2002年4月には、フランス音楽に造詣の深いパリ在住の指揮者・矢崎彦太郎が首席客演指揮者に就任。 矢崎の最も得意とするフランス音楽の世界を幅広く系統だてて網羅した、「フランス音楽の彩と翳」と題する画期的なシリーズを展開。 これまで余り馴染みのなかったフランス音楽を日本の楽壇に広めた点は特筆に価するものがある。
また、2003年2月シンガポール、2004年4月ロサンゼルス、サンフランシスコ、2005年9月パリ、ランス、2007年12月バンコク、2008年6月ジャカルタ、2011年釜山と、海外公演に積極的に取り組み、音楽を通じての各国相互交流事業の一翼を担ってきた。
2005年4月からは、ティアラこうとうにてティアラこうとう定期演奏会を開催。江東区という地域コミュニティとの連携をより一層深める活動を本格的に開始している。その他にも、日本初のベーレンライター校訂新版によるベートーヴェン・ツィクルスやハイドン/ブラームス・シリーズ、 ブルックナー/メンデルスゾーン・シリーズ、若手指揮者・演奏家の積極的な起用など、その意欲的な取り組みは常に注目を集めている。2012年4月より、宮本文昭が音楽監督に就任。2012年は“完全燃焼”、2013年は”飛翔”、そして2014年度は“発!”をテーマに、積極的に音楽する集団を展開した。2015年4月、第4代常任指揮者に高関健が就任。第300回定期演奏会でのベルリオーズ「ファウストの劫罰」、第50回ティアラこうとう定期演奏会での「夕鶴」など、オペラ作品も積極的に取り上げ、いずれも好評を博した。2019年4月より藤岡幸夫が首席客演指揮者に就任する。これからの活躍が最も期待されているオーケストラである。