東京都交響楽団

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東京オリンピックの記念文化事業として1965年東京都が設立(略称:都響)。歴代音楽監督は森正、渡邉暁雄、若杉弘、ガリー・ベルティーニ。現在、大野和士が音楽監督、小泉和裕が終身名誉指揮者、アラン・ギルバートが首席客演指揮者、エリアフ・インバルが桂冠指揮者を務めている。

 

定期演奏会などを中心に、小中学生への音楽鑑賞教室(50回以上/年)、青少年への音楽普及プログラム、多摩・島しょ地域での出張演奏、福祉施設や被災地への訪問演奏など、多彩な活動を展開。

 

CDリリースは、若杉弘、ガリー・ベルティーニ、エリアフ・インバルによる各『マーラー交響曲集』の他、武満徹作品集などの現代日本管弦楽曲や交響組曲『ドラゴンクエスト』(全シリーズ)まで多岐にわたる。

 

これまで欧米やアジアで公演を成功させ、国際的な評価を得ている。2013年5月にはプラハの春音楽祭などに招かれチェコおよびスロバキアで公演を行ったほか、2015年11月にはベルリン、ウィーンなど5ヶ国6都市をめぐるヨーロッパツアー(指揮/音楽監督・大野和士)を行い、各地で熱烈な喝采を浴びた。

 

受賞歴は、「京都音楽賞大賞」(第6回)、インバル指揮「ショスタコーヴィチ:交響曲第4番」でレコード・アカデミー賞〈交響曲部門〉(第50回)、「インバル=都響 新・マーラー・ツィクルス」での〈特別部門:特別賞〉(第53回)など。

 

“首都東京の音楽大使”として、来たる2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、文化芸術の活性化と気運醸成を図っている。その一環として、2018年9月に、音楽や演劇の拠点である池袋エリアで、赤ちゃんから大人まで、誰もが音楽の楽しさを体感・表現・発信できる音楽祭、通称“サラダ音楽祭”を初開催し、大盛況にて幕を閉じた。

 

2018年10月現在

指揮者

  • 東京都交響楽団 大野和士
    ©Herbie Yamaguchi

    音楽監督

    大野和士

    都響およびバルセロナ響の音楽監督、新国立劇場オペラ芸術監督。1987年トスカニーニ国際指揮者コンクール優勝。これまでに、ザグレブ・フィル音楽監督、都響指揮者、東京フィル常任指揮者(現・桂冠指揮者)、カールスルーエ・バーデン州立劇場音楽総監督、モネ劇場(ベルギー王立歌劇場)音楽監督、アルトゥーロ・トスカニーニ・フィル首席客演指揮者、フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者を歴任。フランス批評家大賞、朝日賞など受賞多数。文化功労者。

    2017年5月、大野和士が9年間率いたリヨン歌劇場は、インターナショナル・オペラ・アワードで「最優秀オペラハウス2017」を獲得。自身は2017年6月、フランス政府より芸術文化勲章「オフィシエ」を受章、またリヨン市からリヨン市特別メダルを授与された。

  • 東京都交響楽団 アラン・ギルバート
    ©Peter Hundert

    首席客演指揮者

    アラン・ギルバート

    2018年4月に都響首席客演指揮者へ就任、7月に就任披露公演を迎えた。2019年9月にNDRエルプフィル(北ドイツ放送響)首席指揮者へ就任予定。ロイヤル・ストックホルム・フィル桂冠指揮者、ジュリアード音楽院指揮・オーケストラ科ディレクター。

    2017年まで8シーズンにわたってニューヨーク・フィル音楽監督を務め、芸術性を広げる活動が高く評価された。ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、シュターツカペレ・ドレスデン、パリ管、クリーヴランド管、ボストン響などへ定期的に客演。オペラではメトロポリタン歌劇場、チューリヒ歌劇場、スウェーデン王立歌劇場、サンタフェ・オペラなどへ登場した。メトロポリタン歌劇場とのDVD『ドクター・アトミック』(Sony Classical)、ルネ・フレミングとのCD『ポエム』(Decca)でグラミー賞を獲得。

    都響とは2011年7月に初共演、2016年1月・7月、2017年4月と共演を重ねて大きな喝采を浴び、首席客演指揮者就任が実現した。

  • 東京都交響楽団 小泉和裕
    ©Rikimaru Hotta

    終身名誉指揮者

    小泉和裕

    東京藝術大学を経てベルリン芸術大学に学ぶ。1973年カラヤン国際指揮者コンクール第1位。これまでにベルリン・フィル、ウィーン・フィル、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィル、フランス放送フィル、ロイヤル・フィル、シカゴ響、ボストン響、モントリオール響などへ客演。新日本フィル音楽監督、ウィニペグ響音楽監督、都響指揮者/首席指揮者/首席客演指揮者/レジデント・コンダクター、九響首席指揮者、日本センチュリー響首席客演指揮者/首席指揮者/音楽監督、仙台フィル首席客演指揮者などを歴任。

    現在、都響終身名誉指揮者、九響音楽監督、名古屋フィル音楽監督、神奈川フィル特別客演指揮者を務めている。

  • 東京都交響楽団 エリアフ・インバル
    ©Rikimaru Hotta

    桂冠指揮者

    エリアフ・インバル

    1936年イスラエル生まれ。これまでフランクフルト放送響(現hr響)首席指揮者(現名誉指揮者)、ベルリン・コンツェルトハウス管首席指揮者、フェニーチェ劇場(ヴェネツィア)音楽監督、チェコ・フィル首席指揮者などを歴任。

    都響には1991年に初登壇、特別客演指揮者(1995~2000年)、プリンシパル・コンダクター(2008~14年)を務め、2回にわたるマーラー・ツィクルスを大成功に導いたほか、数多くのライヴCDが絶賛を博している。『ショスタコーヴィチ:交響曲第4番』でレコード・アカデミー賞〈交響曲部門〉、『新マーラー・ツィクルス』で同賞〈特別部門:特別賞〉を受賞した。仏独政府およびフランクフルト市とウィーン市から叙勲を受けている。

    2014年4月より都響桂冠指揮者。マーラーの交響曲第10番や《大地の歌》、バーンスタインの交響曲第3番《カディッシュ》、ショスタコーヴィチの交響曲第8番・第15番などの大作で精力的な演奏を繰り広げ、話題を呼んでいる。

今月の公演

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