2020年08月26日

はじめてのクラシック ~ ヴァイオリンの名曲5選(協奏曲編)

はじめてのクラシックでは、クラシック音楽入門としておすすめの曲をご紹介!
みなさんはご存知でしたか? 8/28が「ヴァイオリンの日」ということを。明治13年のこの日、東京・深川の三味線職人・松永定次郎によって初の国産ヴァイオリンが作られたことに由来して制定された日本だけの記念日なんです。というわけで数ある作品の中から、これだけは聴いておきたいヴァイオリンの名曲(今回は協奏曲)を集めてみました。

※記事の中でご紹介しているCD、DVD、Blu-rayなどの商品には、動画内の演奏は収録されておりません。


 

1. ベートーヴェン / ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61

ベートーヴェンが、友人で名ヴァイオリニストのフランツ・クレメントの依頼で作曲したヴァイオリン協奏曲。今でこそ、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキーの作品と並ぶ「四大ヴァイオリン協奏曲」のひとつと称され人気を博していますが、1806年に初演された際は、45分という楽曲の長さも影響してか、「平凡な箇所の繰り返しで退屈」などと酷評され、その後の40年間では数回しか演奏されなかったそうです。当時最も油が乗っていたベートーヴェン、その充実ぶりを示すかのような穏やかで美しい旋律、オーケストラとの一体感。聴いているだけでなんとなく幸せな気分に浸ることができます。

おすすめのCDはこちら

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
イザベル・ファウスト、アバド&モーツァルト管弦楽団
発売日 : 2012/01/11
レーベル : Harmonia Mundi
フォーマット : CD

HMV&BOOKS onlineで商品を見る

 

2. メンデルスゾーン / ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64

第1楽章の冒頭でいきなり登場するちょっぴりもの哀しげなメロディを、CMやドラマなどで一度は耳にした方も多いのではないでしょうか。「四大ヴァイオリン協奏曲」の中でも特にポピュラーな通称「メンコン(メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルト)」は、冒頭の”パンチライン”もさることながら、第2楽章のスウィートな情緒、第3楽章の華やかで軽快な足どり、時おり挟み込まれる物憂げな表情と、起伏に富んだ楽想に呼応したヴァイオリンの様々な音色が楽しめます。

おすすめのCDはこちら

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
五嶋みどり、マリス・ヤンソンス&ベルリン・フィル
発売日 : 2016/12/07
レーベル : ソニーミュージック
フォーマット : Blu-spec CD 2

HMV&BOOKS onlineで商品を見る

 

3. ブラームス / ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

ブラームス 45歳、その創作活動がピークにあった時期に書かれた作品。主役のヴァイオリン独奏とオーケストラとの蜜月にウェイトを置いたシンフォニックな構成という点で、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と比較されることもしばしば。またソリストにとって、ヴァイオリン協奏曲の中でも「超」の付く難曲としても知られています。小気味よく、バレアリックな開放感に包まれる第3楽章では、その高難度の速く細かいパッセージをコントロールしながらオケと対等にわたりあうヴァイオリンの超絶技巧に圧倒されることでしょう。

おすすめのCDはこちら

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、シューマン:ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、シューマン:ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲
アンネ=ゾフィー・ムター、マズア&ニューヨーク・フィル
発売日 : 1997/09/25
レーベル : DG
フォーマット : CD

HMV&BOOKS onlineで商品を見る

 

4. チャイコフスキー / ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35

若きソリストたちの登竜門として知られる「チャイコフスキー国際コンクール」、そのヴァイオリン部門のファイナルで演奏されるのがこの曲。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲同様、完成~初演当時は批判と酷評の連続だったそうですが、その後評価をくつがえし、ヤッシャ・ハイフェッツ、ヘンリック・シェリング、イツァーク・パールマン、アイザック・スターンといったヴァイオリンの巨匠たちによる歴史的な名演が数多く残されてきました。世界的なコンクールの課題曲に採用されていることからも、多くのヴァイオリニストにとって試金石となる要素が詰まっているヴァイオリン協奏曲のロールモデルであり、また演奏者それぞれの性質がよくあらわれる”リトマス紙”のような一曲と言えるのかもしれません。

おすすめのCDはこちら

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、ヒグドン:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、ヒグドン:ヴァイオリン協奏曲
ヒラリー・ハーン、ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル
発売日 : 2010/10/08
レーベル : DG
フォーマット : CD

HMV&BOOKS onlineで商品を見る

 

5. シベリウス / ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.47

母国フィンランドの凍てつく冬の寒さと澄み切った空気を彷彿とさせる冒頭のヴァイオリン独奏に思わず鳥肌が。「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」とシベリウス本人が語ったとおり、緊張感のある立ち上がりから美しく凛とした飛翔までのシャレードをヴァイオリンの色調ひとつで見事に描き出しています。演歌にも共通する北国慕情をモチーフにした世界観やメロディを持っているということもあり、私たち日本人にはとても親しみやすい曲なのではないでしょうか。

おすすめのCDはこちら

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
庄司紗矢香、ユーリ・テミルカーノフ&サンクト・ペテルブルク・フィル
発売日 : 2018/09/26
レーベル : ユニバーサル ミュージック
フォーマット : SHM-CD

HMV&BOOKS onlineで商品を見る


過去の記事はこちら

はじめてのクラシック

はじめてのクラシック

クラシックが聴きたいけど何から聴けばいいのか・・・そんな初心者の皆さんに贈る名曲5選

こちらの記事もおすすめ

ひびクラ女子リアル育成PJ~いつきさんの場合

ひびクラ女子リアル育成PJ~いつきさんの場合 Op48

こちらでご紹介した名曲をクラシック初心者の新入社員いつきさんが聴いてみた結果・・・