2019年09月13日

『ピアノの森』ピアノコンサート レポート~クラシック噂の現場

美しいアニメーションに美しい音楽。一度観るともうそこから抜け出せないと話題の、現在NHK Eテレで再放送中の人気TVアニメ『ピアノの森』。そのピアノコンサートが、8/28(水)東京オペラシティコンサートホールにて開催されました。

出演するのは、ピアノ吹替を担当している反田恭平さん(阿字野壮介 役)、髙木竜馬さん(雨宮修平 役)、牛牛さん(ウェイ・パン 役)。劇中に登場するピアノ楽曲を3人が演奏するということで、『ピアノの森』ファンにとっては聴き逃せないコンサートです。(実際、チケットは即日完売だったとのこと)

これまでの放送回と過去に発売されたサントラCDでしっかり復習して、いざ、コンサートホールへ!

開場前にも関わらず、多くの人がエントランスに集まっています。見る限り、8割は女性。もちろん男性も、様々な年代の人がたくさん。開場後の物販コーナーも、CD、楽譜、トートバッグといったグッズを手にする人たちであふれ返り、通常のクラシックコンサートではなかなか考えられないくらいの盛況ぶりです。

人がたくさん

お花

漫画『ピアノの森』作者の一色まこと先生からのお花も。

ホールの座席に着きふと舞台に目をやると、大型スクリーンに、美しくライトアップされたピアノが。まるでプロジェクションマッピングを見ているようです。あまりの美しさにカメラを構えてしまう人も多数。舞台の中心に置かれたピアノのほかに、ホールの上手(かみて)側にもう一台ピアノがひっそりと。これは一体どういう演出なのでしょうか?

プログラム

プログラムはこちら。

ついに開演。スクリーンに『ピアノの森』の映像が流れた瞬間、客席の集中力がぐっと高まったのを感じます。そこに颯爽と登場する、反田恭平さん。「ショパン:子犬のワルツ」が始まった瞬間、全身に鳥肌が!鮮明で音の粒がよく聴こえ、軽やかな中にエレガントさもある演奏。これを聴いたらショパンも喜ぶんじゃないかなどと考えてしまいます。

演奏

この曲は主人公のカイが阿字野に教えを乞うきかっけとなる重要な曲。今回、反田さんは曲の前半部分は阿字野、後半部分はカイを意識して弾いたとのこと。他に3日前まで滞在していたというショパンの故郷・ポーランドのことなど、トークを挟みながら会場を沸かせます。

次は髙木竜馬さんによる「ショパン:バラード第1番」。この曲は雨宮がコンクールの一次審査で演奏した曲です。跳ねるような音使いに、ドラマを感じさせる演奏。ペダルの使い方ひとつにも工夫を凝らしているように聴こえます。また、原作漫画からのファンという高木さん。吹替の際には、雨宮の台詞や行動をひとつひとつ感じ取りながらキャラクターを表現しようとしていたとのことです。

演奏

3番目に登場したのは牛牛さん。ウェイ・パンが一次審査で演奏した「ショパン:エチュード『革命』」、二次審査で演奏した「ショパン:ポロネーズ第5番」を弾きます。柔らかい音色で会場全体を包み込みました。もちろん『革命』での力強い表現も素晴らしい。曲間のトークでは、とにかくショパンが好きで、この『ピアノの森』に関わることができ、幸せだということを熱く語っていました。

演奏

第1部最後は再び反田さん。 「カイっぽく演奏しますね!」と言って、向かっていったのは上手(かみて)奥にひっそりと置かれたもう一台のピアノ。物語の初期、森に捨てられたあのピアノのシーンを思い出して、涙が出そうになってしまいました。

 

つかの間の休憩を挟み、いよいよ後半。若手演奏団体『Ensemble FOVE』による室内楽伴奏版の「ショパン:ピアノ協奏曲第1番」。

今回のすごいところは1楽章ずつ3人のピアニストの演奏を楽しめるということ。こんな豪華な試みは初めてです。

演奏

第1楽章荘厳な前奏。本当に小編成なの?というくらい迫力があって息がぴったり。テンポ感は、まさに理想といった形で聴いていて心地良いです。

牛牛さんはやっぱり音色が美しい!流れるような連符にオケとのやり取り、全てが洗練されています。シリアスなメロディーとは裏腹に、とても優しく、温かい印象を受けました。

第2楽章では、弾いていない間もオケをリードする髙木さん。そして実際ソロが入ると…音が光っている!ロマンチックな空気の中自由に歌うところとオケを引っ張るところと、そのギャップにやられます。前半と印象ががらっと変わり、全く別人のよう。「ソリスト」という言葉がぴったりです。

演奏

そして第3楽章の反田さん。音で遊んでいるみたいな、センス抜群のテンポ感。今から踊り出してしまうんじゃない?!ってくらい軽快で本当に心地よい。ポーランド独特のリズムを感じさせる演奏。オケもピアノもノリノリです。最後まであっという間に駆け抜けました。

演奏

各楽章間ではソリストに大きな拍手が送られ、最後にはブラボーも。気づけばわたしも大興奮して叫びかけていました。鳴りやまない拍手に何度も登場する3人。 すると舞台が真っ暗に…何が起こっているのかわくわくしていると、スクリーンにはカイと阿字野が連弾するクライマックスのシーンが…! まさかと思い舞台を見ると、「森のピアノ」が連弾ピアノの配置に移動されていました。

そして反田さんと髙木さんによるアンコール曲「ラフマニノフ:2台ピアノのための組曲 第2番」。

まさかこの曲を聴けるなんて!

演奏

スクリーンではふたりの手元が映し出され演奏もテクニックも楽しむことができました。そうした思わぬサプライズもあった中、コンサートは大きな拍手に包まれながら終演。

アンコール

と、会場から一目散にロビーへと駆け出す人たちが。どうやら、3人のサイン会が行なわれるようです。1階の物販スペースに向かってみると今までに見たこともない長蛇の行列が! 3人が登場したときにはあちこちから黄色い歓声が上がっていました。

サイン会

目でも耳でも楽しむことができたこの「TVアニメ『ピアノの森』ピアノコンサート」。一流ピアニストたちの演奏をトークとともにこんなに楽しめる機会はめったにありません。

今回、お越しいただけなかった方々、今回の演奏会をもう一度楽しみたい方々に朗報です。なんと、来年1月の再演が決定しました! 次回はどんな演奏が聴けるのでしょうか。今から楽しみですね。

演奏

 

そして、ななななんともう一つ朗報が!!!!!!!!!!!

反田恭平さん、髙木竜馬さん、牛牛さん3名のサイン入りCDをプレゼントいたします!

『ピアノの森』を愛するみなさんへのひびクラ編集部からの贈り物です。

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【概要】
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※2019/8/28発売の『TVアニメ「ピアノの森」FAVORITE COLLECTION AND MORE(2CD)』にサインが入ります。

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2019/9/13(金)~19(木)23:59

【応募方法】
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反田恭平
Kyohei Sorita, piano

反田恭平

阿字野壮介のメインピアニスト。
2012年第81回日本音楽コンクール第1位入賞。併せて聴衆賞を受賞。
2014年チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席で入学。
2015年イタリアで行われている「チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール」古典派部門で優勝。年末には「ロシア国際音楽祭」にてマリインスキー劇場デビューを果たす。
2016年のデビュー・リサイタルは、サントリーホール2000席が完売し圧倒的な演奏で聴衆を魅了。2017年のシーズンからはリサイタル、オーケストラとのツアーを全国で行っている。2019年のシーズンは室内楽の新たな提案をするべく室内楽ツアーも行っている。
デビューから4年、コンサートのみならず「題名のない音楽会」「情熱大陸」等メディアでも多数取り上げられるなど、今、もっとも勢いのあるピアニストとして注目されている。
現在、ショパン音楽大学(旧ワルシャワ音楽院)にてピオトル・パレチニに師事。
2017年「第27回出光音楽賞」受賞、 CDショップ大賞「クラシック賞」受賞。

 

髙木竜馬
Ryoma Takagi, piano

髙木竜馬

雨宮修平のメインピアニスト。
2018年9月に第16回エドヴァルド・グリーグ国際ピアノコンクールにて、優勝及び聴衆賞を受賞した他、第26回ローマ国際ピアノコンクールなど7つの国際コンクールで優勝。
2019 / 2020シーズンでは、第126回東京フィルハーモニー交響楽団定期公演において、満席の聴衆の元デビューを果たし、ベルゲン・トロルハウゲンでの『ピアニスト・オブ・ザ・ウィーク』に出演。1週間に亘って30回の演奏会を行い、演奏の模様は現地紙にも取り上げられるなど好評を博す。その他にも、ハンブルク・エルプフィルハーモニー、ハノーファー・西ドイツ放送協会ホール、ウィーン楽友協会でのリサイタルや、オスロフィルハーモニー管弦楽団、クリスティアンサン交響楽団、との共演を予定するなど、日本とウィーンを拠点に広範な演奏活動を予定している。
2015年イタリアで行われている「チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール」古典派部門で優勝。年末には「ロシア国際音楽祭」にてマリインスキー劇場デビューを果たす。
TV『題名のない音楽会21』TV『らららクラシック』NHK-FM『眠れない貴女へ』NHK-FM『ベストオブクラシック』『スタンドアップ!クラシックフェスティバル2018』『春日大社御創建1250年奉祝 TVアニメ「ピアノの森」ピアノコンサート』等々に出演。江副記念財団 第35回奨学生。
故エレーナ・アシュケナージ、故中村紘子、ミヒャエル・クリスト、ボリス・ペトルシャンスキー各氏に師事。現在、ウィーン国立音楽大学、及びイモラ国際ピアノアカデミーに在学。

 

牛牛/ニュウニュウ
Niu Niu, piano

牛牛

©Chris_Lee

パン・ウェイのメインピアニスト。
本名、張勝量(Zhang Shengliang)。1997年中国福建省厦門(アモイ)の音楽一家に生まれる。6歳でデビューコンサートを行い、8歳で上海音楽院に史上最年少で入学。その後ニューイングランド音楽院等を経て、2018年にジュリアード音楽院(米国)卒業。
これまでに、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:イルジー・ビエロフラーヴェク)、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ヤツェク・カスプシク)、上海交響楽団(指揮:ムーハイ・タン)等と共演。
2007年最年少で国際クラシックレーベルの旧EMIクラシックスと専属契約を結ぶ。2017年に新たにユニバーサル・レコードと専属契約を締結し、2018年にデッカレーベルより新アルバムをリリースしている。
これまでに、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:イルジー・ビエロフラーヴェク)、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ヤツェク・カスプシク)、上海交響楽団(指揮:ムーハイ・タン)等と共演。
日本では、2009年僅か12歳でサントリーホール(東京)、ザ・シンフォニーホール(大阪)でデビューし、共にホールのリサイタル最年少記録を更新。佐渡裕指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団(2011)、大友直人指揮 読売日本交響楽団(2019)と共演。今年、5年ぶりにリサイタルツアー(全7公演)を行い、好評を博す。

 

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