2019年08月02日

ひびクラ女子リアル育成PJ〜新入社員いつきさんの場合 Op.27

ひびクラリアル女子育成

このプロジェクトは、ある日ひびクラ編集部に声を掛けられた、クラシック初心者の新入社員いつきさん(仮名だけど実在!)が、あれこれ分からないことをクラシックファンの皆さんによるユーザー投票で教えてもらい、その結果を真面目に体験していくという、SNS連動型のリアル育成プロジェクトです。

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こんにちは、いつきです。

 

気づけばもう8月、すっかり夏ですね。

暑い夏の一番の健康法は「外に出ないこと」。これに尽きます。
皆さんも体調にはくれぐれもお気をつけください。

 

さてさて、更新が滞っていたこちらですが(申し訳ございません…)、引き続きよろしくお願いいたします!

 

前回の復習。

ベートーヴェンローラー作戦も最終章ということで、私がまだ聴いていない、けど絶対にこれだけは聴くべき!というベートーヴェンの曲を「#私が推したいベートーヴェン 」というハッシュタグ付きのTwitter投稿で教えて頂きました。

 

ハッシュタグ企画第2弾でしたが、初回の倍以上のご意見を頂きました!投稿頂いたみなさん、ありがとうございます!

 

交響曲、ピアノ協奏曲、弦楽四重奏曲…と色々なジャンルの曲名が並びましたが、やはり『第九』との声は多いですね。

 

『第九』はさすがに私でも知っています。確か小学校5年生の12月、音楽の授業でDVD鑑賞した記憶。

 

「でもクリスマスシーズンの曲だから時期的にちょっと合ってなくない…?」

 

そう思っていたのですが、ひびクラ編集長曰く日本人の「『第九』=クリスマス」という認識は世界的にも珍しいんだとか。
『第九』はクリスマスに限らず、お祝い事や特別な節目の時などに演奏されることが多いそうです。

 

一番有名な大サビ的なところの歌詞が“Freude(歓喜)”であることから、特別な日に演奏したくなる・聴きたくなる気持ちも何となく分かります。

 

ということで、私もベートーヴェン最終章は“Freude(歓喜)”と声高高に歌いたくなるようなフィナーレを迎えるべく、『第九』ことベートーヴェンの交響曲第9番『合唱』を聴いてみることにしました!

 

今回は編集長のオススメのDVDを拝借。

 

じゃん。

バーンスタイン先生指揮、演奏はバイエルン放送交響楽団をメインに、計6つの楽団のメンバーによって特別に編成されたオーケストラです。

 

DVDを見る前に、この演奏の背景を少しご説明。

 

こちら、1989年 ベルリンの壁崩壊の約1か月後に実現したコンサートなのだそうです。
6つのオーケストラの内訳は、西ドイツ・東ドイツに、ドイツの東西分離のきっかけとなったアメリカとソ連、それに第二次大戦時のドイツの敵国イギリスとフランスのオーケストラ。

 

対立関係にあった者同士が、壁の崩壊でフラットになり、さらに音楽という世界共通言語的なもので調和しあう…それを想像しただけですごく尊いことに感じますし、歴史的にもかなり重要な演奏であることが分かります。

 

更に指揮はクラシック界の権威、バーンスタイン先生。

 

十二分に期待を高めたところで、DVDを見てみましょう。

 

再生▶

 

演奏前、オーケストラを見渡してグッと祈るように目を閉じてから、指揮棒を構える先生。平和への喜びを噛みしめつつ、この演奏に対する覚悟や想いを感じさせる表情です。

 

第1楽章の導入は何とも面妖な雰囲気。『第九』と言うとどうしても明るく華やかなイメージを持ってしまいますが、入り方はけっこう悲愴的なのですね。暗い森の中をひたすら彷徨っている様子が思い浮かび上がります。

 

第2楽章。ティンパニが印象的なオープニング、大勢で行進しているようなタフなリズム感。さっきまで一人で彷徨っていた個人が、勢力を築き上げて闘いに挑んでいくような、そんな決意を感じさせる曲でした。

 

第2楽章が終わると、なぜか所々席替えが始まります。(この光景は一般的ではないですよね?)次いでソリストたちが登壇。高まるいよいよ感。

そして額に汗を滲ませながら、時折苦しそうな表情を見せるバーンスタイン先生。実は当時、彼は既に肺ガンを患っていたんだとか。満身創痍の中、この演奏で指揮を務める意義を顕示するかのようなお姿…なんだか胸が熱くなりました。

バーンスタイン先生

先生ことレナード・バーンスタイン。一度は生で彼の演奏を聴きたい人生だった…。

 

さて、第3楽章はまた毛色が変わり、漂う空気のような穏やかな曲に。幻想的な雰囲気で、フルートなどの木管楽器の柔らかい音が心地良いです。そして徐々にクライマックスへと向かっていくことを予知させるように演奏が厚くなり…。

 

ついに!第3楽章から繋がるように始まる第4楽章。ここでは第1~3楽章の音楽が所どころ提示され、それをバサッと否定していくという構成になっているらしいです。と言われても、私はピンときませんでしたが…(汗)

過去を否定した末、「今ここに生まれた歓びを歌おう!」ということで合唱が始まるわけです。ここまで約1時間、焦らしに焦らされ、やっとたどり着いた大サビ部分に大歓喜(笑)

 

ただ今回の演奏では、“Freude(歓喜)”という歌詞を“Freiheit(自由)”に変更して歌われています。クラシックで替え歌(?)とかやっていいんだ…と思いながらも、当時の人々はそこまでして“自由”を謳いたかったという訳ですもんね。その切なる想いというのもこの演奏の価値をさらに高めているのだと感じました。

 

『第九』は馴染みのある曲だと思っていましたが、こんなにも紆余曲折あってから、やっとの想いで“歓喜”や“自由”が歌われていたとは…。正直クリスマスのシャンシャンしたイメージしかなかったので、今回この曲が持つドラマ性、そして本当の意味での“特別感”という部分が初めて真実味を帯びて実感できたな、という感想です。これはエモい。(=エモーショナルである、つまり感動的という意味)

 

エモエモモードの中、編集長に活動報告。

 

編集長「現代の“自由”と当時の“自由”では、意味合いというか重さというか、全然違うんだろうね」

 

たしかに今の時代、行動を起こす原資と勇気さえあれば割と何でもできる自由がある気がします。たった30年前の出事だけど、時代は大きく変わっているのだな、と改めて。

 

編集長「いつきさんも着実に成長していくわけだ。」

 

まあ、それなりに成長の自覚はありますが…

 

編集長「じゃあ、次回はこれまでの復習テストをしよう」

 

テ ス ト ?

 

最初はふざけているのかと思いましたが、目がマジです。

 

この連載が始まって約9か月。色々な種類のクラシック音楽を聴いてきましたが、なんとテスト範囲はその全部。リスニング、筆記、諸々あるとのこと。到底網羅しきれる量ではない…

 

それでも編集長の目はマジです。

まぁ、これまでそれなりに真面目に取り組んできたつもりですし、そこまで悲惨な結果にはならないんじゃ?と思っている自分もいます(笑)。

 

編集長「今回の投票は、いつきさんが何点取れるか予想してもらったらいいんじゃない?(笑)」

 

今日初めて笑みを見せる編集長。Oni…

 

こんなことを自分から問いかけるのも少々恥ずかしいですが、そういう事なので今回のアンケートはこちらで。

 

次回実施される復習テスト、ずばり私は何点取れるでしょうか?(笑)

 

■振り出しに戻る。0~30点

■まぁまぁ赤点。31~50点

■及第点。51~70点

■今後ひびくらを背負っていく人材。71~100点

 

あ~夏休み~♪

なのに気が重い~♪

 

さて、皆さんは私の勉強能力にどれくらい期待して頂けるのでしょう?

 

投票お待ちしております!

さあ、いつきさん夏休み前の期末テスト「何点とれるでしょう…いや、このくらいは点数取りなさい!」皆さんの期待の声お待ちしております!

こちらのTwitter投稿から投票をお願いします。

※投稿にはTwitterアカウントの作成が必要です

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交響曲第9番『合唱』(1989年ベルリンの壁崩壊記念コンサート)
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ベートーヴェン:交響曲第9番が聴ける演奏会はこちら
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公演日 : 以下よりご確認ください
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